
白癬(水虫)
白癬(水虫)
白癬は白癬菌が皮膚の角層や毛や爪に寄生する感染症です。白癬菌はカビの1種で、足に生じた白癬は俗に「水虫」と言われます。
部位によって名称を変え、頭部白癬、生毛部白癬(顔面白癬、体部白癬、股部白癬)、足白癬(水虫)、手白癬、爪白癬に分けられます。ここでは最も多い足白癬(水虫)について説明致します。
水虫は夏に多くなり、冬に減少します。
足のゆびの間がふやけたり、かゆくなったり、かさついたりする「趾間型」が最も多いですが、土踏まずや足指に水ぶくれや細かい皮むけを生じる「小水疱型」、踵(かかと)を中心に足裏の皮膚が厚くなる「角質増殖型」もあります。
はだしでいる事が多い子供よりも、仕事で1日中靴を履いている事が多い成人以降に発症しやすくなります。お風呂マットや畳、絨毯を共有する家庭内での感染が多いですが、家庭外では銭湯やプールの脱衣所で感染する事もあります。
また、糖尿病などに罹患している方も足白癬を起こしやすくなります。
治療は外用抗真菌薬で、症状がない所も含めた足底全体に外用する必要があります。ご家族にうつさないようにはやめの治療が望ましいです。
①趾間型(しかんがた)、②小水疱型(しょうすいほう:水ぶくれ)、③角質増殖型の3つのタイプがあります。
足のゆびの間がふやけたり、かゆくなったり、かさついたりする「趾間型」が最も多いです。趾間型は、足指の間の皮膚が白くふやけ、じくじく、かさかさ、赤み、水ぶくれなどが生じます。小水疱型は、土踏まずや足指に水ぶくれや細かい皮むけが生じます。角質増殖型は、踵(かかと)を中心に足裏の皮膚が厚くなり、ひび割れたり、粉をふいたりした状態になります。冬に乾燥やひび割れを起こしやすくなります。これらのタイプが混在することもありますし、かゆみがないこともあります。
足の指の間に発生しやすく、最も多い水虫のタイプです。第4趾間(第4趾、第5趾の間)に好発します。
足の裏に汗をかきやすい人や長時間(8時間以上)靴を履く人に多い水虫です。
土踏まずに水ぶくれ(水疱)ができ、夏に多く見られます。
かゆみが強く、掻きむしると悪化するため早めの治療が必要です。
皮膚が硬く厚くなり、表面がガサガサになります。長期間放置さ、慢性化しやすく、治療に時間がかかります。症状が出たら早めに来院いただくことをおすすめします。
爪に白癬が感染する事もあり、「爪白癬」といいます。足白癬(みずむし)と異なり、かゆみを伴うことは稀です。爪の白濁、変形、肥厚が主な症状となります。
高齢者では爪の伸びも遅いため爪白癬は年齢に伴って増加し、90歳以上では約半数に見られると言われています。
以前は4つの型に分類されていましたが、現在は5型に分類されており、型ごとに治療法が異なります。
爪白癬の治療は基本的に内服治療が推奨されます。ただし高齢者に多い疾患である事もあり、他の薬剤と飲み合わせに注意が必要な事や肝臓への負担から爪専用の外用薬を選択する事もあります。また、外用薬での治療では外科的処置を併用する必要がある事もあります。
水虫は、白癬菌が皮膚に付着し、感染が成立するまで通常24時間かかります。そのため24時間以内に足をきれいに洗うことで感染を予防できます。
しかし、足に小さい傷があると12時間ほどで感染成立してしまします。
感染経路としては、以下のようなものがあります。
汗をかいたまま靴を履き続けると、湿気で白癬菌が繁殖しやすくなります。通気性の悪い靴や靴下を履いていると、感染リスクが高まります。
家族間でのスリッパやバスマットの共有やプールや公共浴場など、裸足で歩く場所での感染します。
加齢やストレス、病気によって免疫力が低下すると、水虫に感染しやすくなります。
水虫の治療は外用薬(塗り薬)が基本ですが、爪水虫などの重症例では内服薬が必要になります。
抗真菌薬を患部に塗ることで、白癬菌を死滅させます。
目に見えない範囲にも白癬菌は存在するため、足の裏全体、足の縁、足指の間に広く塗る必要があります。量は塗り薬をひとさし指の先から第1関節まで出した量が片足全体に塗る量です。
足底の皮膚の角層の生まれ変わり(ターンオーバー)は1~2カ月のため、完全に症状が消えた後も1~2カ月は薬を塗り続ける必要があります。(途中でやめると再発しやすい)。
爪水虫など一部の白癬は、塗り薬だけでは治療が難しく、抗真菌薬の内服が必要になります。
肝機能への影響があるため、定期的な血液検査が必要です。
他の薬との飲み合わせに注意が必要なため、現在服薬しているものがあれば事前にお申し付けください。