にきび・にきび痕|大阪市東住吉区・針中野駅の皮膚科・形成外科|針中野みずた皮ふ科・形成外科

大阪市東住吉区駒川5丁目23-18 針中野クリニックモール2階
電話準備中
ヘッダー画像

にきび・にきび痕

にきび・にきび痕|大阪市東住吉区・針中野駅の皮膚科・形成外科|針中野みずた皮ふ科・形成外科

尋常性ざ瘡(にきび)

尋常性ざ瘡(にきび)

尋常性ざ瘡(にきび)は、皮膚付属器である毛包・皮脂腺を中心とした慢性的な炎症性疾患です。思春期から成人期まで幅広い年代で発症し、適切な治療をせずに放置すると、瘢痕(クレーター状のあと)や色素沈着や炎症後も続く赤み(炎症後紅斑)を残す場合があります。見た目への影響は心理的ストレスの要因にもなるため、早期に医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。

にきびの原因と発症メカニズム

  1. 皮脂の過剰分泌
    思春期にはホルモン(アンドロゲン)の増加によって皮脂が過剰になりやすく、成人期でもホルモンバランスの乱れやストレスで皮脂分泌が増加し、毛穴詰まりのリスクが高まります。
  2. 毛包漏斗部の角化異常
    肌のターンオーバーが乱れると毛穴の出口(毛包漏斗部)に角質がたまりやすくなり、コメド(面皰)の形成へとつながります。
  3. アクネ菌(Cutibacterium acnes)の増殖
    毛穴にたまった皮脂を栄養源にアクネ菌が増殖すると、赤く腫れたり膿を伴うにきびへと進行します。
  4. 生活習慣・ストレス
    睡眠不足や偏った食事、過度なストレスはホルモン分泌や皮膚のバリア機能に悪影響を及ぼし、にきびを悪化させます。

にきびの分類

1.コメド(面皰)期

  • 白にきび(閉鎖面皰)
    毛穴が皮脂で詰まり、炎症が起きていない初期状態。適切なケアを怠ると悪化しやすいので要注意です。
  • 黒にきび(開放面皰)
    毛穴が開いて詰まった皮脂が酸化し、黒く見える状態。放置すると炎症性ざ瘡へ進行する場合があります。

2.炎症性ざ瘡

  • 丘疹(赤にきび)
    アクネ菌の増殖によって毛穴周囲が赤く腫れる状態。痛みを伴うこともあります。
  • 膿疱(黄にきび)
    赤にきびが進行し、膿がたまった状態。瘢痕を残さないためにも早めの治療が大切です。
  • 嚢腫・硬結にきび
    深部に大きなしこりや膿が形成される重症化タイプ。治療が遅れるとクレーター状瘢痕になるリスクが高まります。

3.ニキビ痕

ニキビが治った後に残る跡(ニキビ痕)は、大きく分けて皮膚が凹む「萎縮性瘢痕」と、盛り上がる「肥厚性瘢痕・ケロイド」の2種類があります。前者は炎症によるコラーゲン減少やひきつれが原因で、全体の80~90%を占めます。さらにアイスピック型・ボックスカー型・ローリング型などに分類され、一つの肌に複数のタイプが同時に見られることも。後者は傷の修復過程でコラーゲンが過剰に産生された場合に生じます。

  • 炎症後紅斑(PIE)
    ニキビ跡の赤みは「炎症後紅斑」と呼ばれ、ニキビの炎症でダメージを受けた毛穴周辺を修復するために毛細血管が増えて拡張している状態です。特に肌が白い人で生じやすくなります。
    自然に治る可能性があるとされていますが、炎症を繰り返したり、肌の新陳代謝(ターンオーバー)が低下していると、赤みが長引く場合があります。このような赤みは自然には消えにくいため、早期の炎症コントロールが重要です。
  • 色素沈着
    炎症が長引くと、肌を紫外線刺激から保護するためにメラニンがつくられ、肌がくすんだり、茶色いシミができます。炎症の名残であったり、炎症がまだ持続している事もあります。これは日本人のようなアジア人に生じやすく、炎症後色素沈着と同様な治療を行いますがこの色素沈着は半数以上で1年以上残存するため、ピコトーニングなどの治療介入を行うことがあります。

治療法(保険診療)

1. 外用薬

  • 過酸化ベンゾイル(BPO)製剤
    抗菌作用と角質剥離作用を併せ持ち、アクネ菌を抑えながら毛穴詰まりをケアし、日本皮膚科学会ガイドラインでも第一選択薬として推奨されています。アダパレンゲルや抗生物質との合剤もあります。
  • アダパレンゲル(ディフェリンゲル)
    毛穴の詰まりを改善し、にきびの初期症状である面皰(めんぽう)をできにくくします。

これらの外用薬は使い始め(2週間以内)に赤み、ヒリヒリ感、皮むけ、乾燥などの刺激症状が現れることがあります。多くの場合、1ヶ月ほどで軽減してきます。
1ヶ月経ってもひりつきが強い場合は外用薬を塗布後、15分して洗い流す”short contact therapy”などを行いながら継続できる方法を提案します。

  • 外用抗菌薬
    クリンダマイシンやナジフロキサシンなどが使用されますが、耐性菌リスクに配慮し、使用期間は最小限に留めます。ディフェリンゲルと併せて使用することもあります。

2. 内服薬

  • 抗生物質(テトラサイクリン系など)
    ビブラマイシン、ミノマイシン、ファロムなどを用います。
    中等度以上の炎症性ざ瘡で処方される場合があり、ガイドラインでは連続3カ月以内を目安とされています。
  • 漢方薬
    荊芥連翹湯などの漢方薬も選択肢の一つです。

3. 面皰圧出

専用器具で毛穴に詰まったコメドを医療スタッフが除去します。自己流でつぶすと深刻な炎症や跡を招くため、消毒した器具で専門的な処置が望まれます。

自費診療

  1. ケミカルピーリング
    サリチル酸やグリコール酸などで古い角質を除去し、毛穴詰まりを改善。軽度~中等度のにきび・にきび痕に有用とされています。施術後は保湿と紫外線対策が不可欠です。
  2.  Stella M22(IPL)
    広帯域の光を肌に照射(IPLIntense Pulsed Light)し、皮脂腺や炎症後紅斑、色素沈着を狙って治療する方法です。ダウンタイムが比較的少ない治療が大きなメリットです。
  3. エレクトロポレーション(メソナJ)
    通常のエレクトロポレーションの20倍の浸透力と言われる”mesona J”を用いたイオン導入を行い、抗酸化作用、皮脂腺抑制し、新規のニキビ発生を抑制します。また、炎症後紅斑、炎症後色素沈着の改善を図ります。
  4.  ジェントルマックスプロプラス
    ジェントルマックスプロプラスに搭載されているアレキサンドライトレーザーを高出力で照射することでニキビ治療が可能です。
    レーザー照射による脱毛効果と皮脂の抑制効果により毛穴の詰まりが改善し、レーザーによる熱反応でニキビ菌が殺菌されます。
    また、レーザーは真皮の線維芽細胞を刺激してコラーゲン産生を促し、毛穴の引きしめ効果やシワの改善効果があります。
  5.  フラクショナルCO2レーザー
    極小のレーザーをドット状に照射し、クレーター状のにきび痕を中心に肌の再生を促します。照射部位のコラーゲン生成を活性化させるとされています。
  6. ホルモン療法(低用量ピルなど)
    ホルモンバランスの乱れがにきび悪化に関わっているケースで検討されます。ただし自費診療となる場合が多く、副作用のリスクについても十分な理解が必要です。
  7. イソトレチノイン内服
    外用薬で改善が乏しい重症例に対してイソトレチノイン内服が選択肢となる場合がありますが、催奇形性、肝機能障害、皮膚の乾燥など副作用が懸念されます。避妊と定期的な血液検査が必要となります。

日常生活で気をつけたいポイント

  1. 正しい洗顔と保湿
    1日2回を目安に優しく洗顔し、その後はしっかり保湿して肌のバリア機能を保護しましょう。
  2. ノンコメドジェニック製品の使用
    メイク用品や日焼け止めは、毛穴をふさぎにくい製品を選ぶのがおすすめです。
  3. 紫外線対策
    日焼け止めや日傘を活用し、色素沈着や炎症後紅斑の悪化を防ぎます。
  4. 十分な睡眠・栄養バランス・ストレス管理
    生活習慣の乱れはホルモンバランスを崩し、にきびを悪化させる可能性があります。
  5. 自己流の圧出は避ける
    無理につぶす行為は炎症を深刻化させ、跡を残す原因になります。症状が気になる場合は専門医へご相談ください。

にきび治療の基本は、保険診療で扱われる外用薬や内服薬です。ただし保険診療内だけでは制御しきれない事もあります。早期介入が瘢痕や長引く炎症の予防に重要とされ、ガイドラインでも適切な初期治療が推奨されています。
にきびを放置すると、色素沈着やクレーター状の痕が長引く恐れがありますが、早めに受診すれば改善が見込める場合も多いです。当院では、保険診療と自費診療の両面から、患者さま一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。にきびやにきび痕でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。