
形成外科・日帰り手術
形成外科・日帰り手術
形成外科は、怪我・やけどの治療はもとより、生まれながらの異常(変形、欠損)、病気などで生じた整容面の不満足に対して、外科的に見た目や機能を改善(治療)する診療科です。体表面を中心に、頭から足の先まで全身を治療対象としています。
一般的な治療としては、怪我や熱傷(やけど)、皮膚の瘢痕(はんこん)やケロイドの治療、眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)、生まれつきのあざ、皮膚や皮下の腫瘍切除、顔面骨折や傷の治療などがあります。頭蓋骨、顔、あごの骨の変形矯正手術や、口唇口蓋裂、多指症、小耳症などの生まれつきの異常に対する形成手術、乳がんで切除された乳房の再建手術などは、形成外科の特徴的な治療といえます。
老若男女を問わず、全身の見た目や機能の問題を対象として、様々な治療を行っております。体表の見た目などでお悩みや困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
笑顔で再び社会生活に復帰される患者さんの姿を見ることが、わたしたちの最高の喜びです。
体表のことでお悩みや困りごとがありましたら、何でもお気軽にご相談ください。
やけどは、皮膚に高温の液体や固体が一定時間以上接することで生じるもので、火炎や爆発などでも生じる場合もあります。また、比較的低い温度(44~60度)で生じる低温熱傷もあります。この他、薬品(酸、アルカリ溶液など)による化学熱傷や電流(家庭電源、落雷など)による電撃傷などもあります。
やけどをしたら、流水で15~30分程度しっかり冷却することが大切です。衣服を着た状態の場合は、衣服の上から冷やしましょう。水ぶくれがある場合は出来るだけ破らないようにしましょう。放置すると水ぶくれが破れて細菌感染することもありますので早めの受診をお勧めします。
やけど・擦り傷・切り傷などの外傷、手術後やにきびなどで傷あとが残ることがあります。深い傷であるほど目立つ傷あとになりますが、浅い傷でも広範囲に及べば整容的に問題となることがあります。
痛みがある傷が通常の経過で治り、その残った傷あとを「成熟瘢痕」といいます。「肥厚性瘢痕」は深い傷のあとで、傷ができてしばらくはミミズばれのように盛り上がります。この他に、皮膚の深いところにある真皮で炎症が続いて生じてしまうケロイドがあります。
眼瞼下垂症は、上まぶたの皮膚が緩むことで生じる加齢現象の一つです。眼を開いたときに上まぶたが正常の位置よりも下がり、上の視野が狭く感じたり、外見が悪く(眠そうな印象)なったりします。まぶたを上げようとするため、まゆ毛の位置が高くなり、額(ひたい)のしわが目立ったり、頭痛や肩こりの原因になったりすることもあります。
眼瞼下垂症の手術は、まぶたの皮膚を二重の位置で切開し、眼瞼挙筋腱膜(がんけんきょきんけんまく)を緩んだ分だけ短くする眼瞼挙筋前転法が代表的な手術です。高齢化を背景にニーズが高まっています。
ほくろは良性腫瘍の一種で、表皮にメラニン色素を生成するメラノサイトが集まり、黒色斑になります。隆起したもの、平らなもの、毛が生えているものなど様々です。生まれつき皮膚の広範に色素性母斑がみとめられるものは、巨大色素性母斑と呼ばれます。
一般的ないぼは足の裏に多く、免疫力低下により粘膜がウイルスに感染して生じるといわれています。顔や首などに出現する老人性のいぼ(老人性ゆうぜい)から足の裏にできるいぼ(尋常性ゆうぜい)まで種類も様々です。治療は電気やレーザーで全体を焼き取る方法や、メスなどを使用してくり抜く方法が一般的です。
巻き爪は、爪が横方向に曲がり爪の下の皮膚をつかむように巻いている状態をいいます。陥入爪は爪の両端から爪が皮膚に食い込むことで炎症や腫れ、疼痛が生じます。傷が化膿してしまうこともあります。巻き爪と陥入爪が合併して起こることも少なくありません。
早期治療を望まれる場合や、爪矯正などの保存的治療が無効な場合には手術をお勧めします。
表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれる病気で、体中のどこにでもできる良性の皮下腫瘍です。皮膚の上皮成分が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、その中に垢や脂がたまってできた固まりが粉瘤です。多くは数ミリ程度の盛り上がった状態から次第に大きくなり、数センチほどの半球状になることもあります。皮膚が破けると膿汁と臭い粥状の固まりを排出します。膿を出そうとして圧迫すると、袋が破れて脂肪組織内に散らばり慢性化してしまうこともありますので、内容物を無理に排出することは避けて早めに受診してください。
皮下に発生する腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍です。皮下組織にみられる浅在性脂肪腫と、筋膜下、筋肉内、筋肉間にみられる深在性脂肪腫があります。20歳以下には発症することはまれで40~50歳代に多くみられます。女性や肥満に多いといわれています。背部、肩、頸部(くび)などに現れることが多く、上腕、でん部、大腿など四肢にもみられることがあります。痛みなどの症状は無く、皮膚がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして認められます。大きさは数ミリ程度の小さなものから直径が10センチ以上に及ぶものまで様々です。治療は手術による脂肪腫の摘出で、再発することはまれです。
わきの下にはアポクリン腺とエクリン腺という2種類の汗腺(汗を出す器官)があり、わきがとは、アポクリン汗腺からの汗の成分と、皮膚表面の細菌が作用して特有の臭いを放つことをいいます。アポクリン汗腺は、ホルモンの分泌が活発になる思春期から活動をはじめるため、このころに症状を訴える方が多いようです。治療は不規則な日常生活や喫煙習慣など、生活習慣を見直すことから始まります。治療には、ボツリヌス毒素注射や塩化アルミニウム溶液の外用、レーザーによる脱毛法やイオン導入法、マイクロ波を利用したものもあります。
手術治療の適応は、においが強い場合です。アポクリン腺が分布している層を皮膚の裏側から切除する方法が最もよく行われています。
当院では、各種日帰り形成外科手術を行っております。
日帰り手術ご希望の方は、お気軽にご相談ください。
1
診察・検査
診察・検査の結果で、手術適応を判断します。
一度当院へご来院ください。手術適応の場合は手術日の予約を行います。
2
手術当日
指定時間にご来院ください。ご来院後、手術部位の最終確認を行い、局所麻酔または静脈麻酔で手術を行います。手術時間は約30分〜1時間程度です。
3
手術後
手術後は当院のリカバリー室へご案内いたします。一定時間安静にし、異常がないことを確認した後、帰宅となります。
4
抜糸
約1週間後に抜糸のため、再来院いただきます。傷口のチェック等診察し問題なければ終了です。
術後の安静
手術後数日は、激しい運動や長時間の入浴を避けることが重要です。
痛みや出血の管理:軽度の痛みや出血は正常ですが、異常を感じた場合は速やかに医療機関へ連絡しましょう。
再診の必要性
経過観察のため、医師の指示に従い、定期的な診察を受けることが大切です。
日帰り手術は、入院の負担を軽減し、日常生活への早期復帰が可能な治療法です。気になる症状がある方は、専門医にご相談ください。